人生を彩る旅〜福井〜

愛でる木を見つけた〜手と愛情をかける手仕事

愛でる木を見つけた〜手と愛情をかける手仕事

エーデパ設立当初からの長いおつきあいになるcraftsman Daidaiの中西さんの工房アトリエにお邪魔してきました。


アトリエには、チェストやデスクなどといった大型の家具の他にも、デスク周りの商品やダイニングキッチン用品など、いずれも中西さんらしい丁寧に時間をかけられて作られたであろう商品が大切に展示されています。


一つ一つ丁寧に作られた木の製品。端材で作られた小物たち。


細かいこだわりが見える優しい雰囲気のチェア。


家具を作った時に残る端材を必ず利用するという寄木の綺麗なトレイなど


木の肌触りを感じて欲しい端材で作った積み木。一つ一つ違う形の積み木にも優しさがいっぱい


木の香りが漂うアトリエには、中西さんの作りたいという思いだけで作られた逸品があり、目移りをしてしまいます。中西さんの代表作の木のハンドバックやアタッシュケースも。


本体を木で、持ち手や蓋部分は革で、craftman Daidaiさんの代表作の木のバッグたち

 最近、手に取った人は必ず買われていく商品があるということで、見せてもらった「愛でる木」と書かれた商品。

 
「愛でる木」木の素材も大きさも厚さも様々


craftsman Daidai 中西さん。いつも柔和な笑顔で迎えてくださいます。


大きさも素材も重さもバラバラ、形状は丸く、一見鍋敷き?かな?と思わせる形。

「これは何をするものですか?」との問いに

「愛でます!」

愛でるって、と恐る恐る1つを手に取って両手の上に置きました。つるっとした肌触りの木の優しい柔らかさ、ひんやりした表面に自分の手の温度が映っていくように、一体化する感じ。

十数個をかわるがわる持ち上げ、触り確かめ、その瞬間には、すでに自分の愛でる木を探していました。何回も何回も触っては置き、触っては置きを繰り返し、

私の選んだ一つはウォールナットの茶色味の深い、小さめのしっかり年輪が刻まれた一つ。小さい私の手にもしっくり馴染みます。たとえ、これから傷がついたとしても、傷さえも愛でることができそうな一つです。


私の選んだ愛でる木。ウォールナットの濃いめの色に深みのある模様が気に入っています。

 実は、最初、花瓶の下に引く花台として作られた商品で、その時は全く売れずにいたそうです。それで中西さん自身が発案、愛でるためだけの木にしたらどうだろうかと、愛でる木と命名!今では触れば売れるヒット商品だそうです。

「どのような方たちが買われていくんです?」

 「癒しを求めてる人とか、疲れている人とか、色々いろんな人が多いかな〜。年齢も様々だけど。五十嵐さん世代の人が多いかもしれない。」

私が癒しを求めているかどうかはさておき、少し、愛でるについて調べてみました。私たちの世代では、なかなか自分では言わない大切そうな優しいワードの愛でる。「愛でる」対象は、観葉植物や花の咲く植物、犬や猫などのペット、そして、かわいい子供たち。または、推しのグッズなども。本来の意味は、その美しさやかわいさに惚れ惚れし、可愛がるとあります。しかし、私は、その背景にある、自分自身の喜びのためにということが大切なのではないかと思いました。優しい眼差しで見守る、愛する背景に、自分の喜び、満足感も伴うのです。まさに、この「木」には、他の人にはわからない、わからないからこそいい、どのように使っても構わないという要素が思いっきり詰まっているような気がします。

嬉しそうに愛でる木を持ち、車に乗り込む私に

「あ、五十嵐さん、そういえば、○○さんも先日、愛でる木を買われていきましたよ。」

まさかの高校時代から今までずっと仲良くしている友人の名前がでてくるとは!!笑

 「愛でる」もの。中西さんが作るこの木も、積み木も、カットボードも。そして、たくさんの方々が手で丁寧に時間をかけ作られたエーデパの商品も全て誰かの愛でるものになっているような気がします。


曽明漆器さんの器に植えたジュエルオーキッドを「愛でる木」の上に。愛でるものたち


富山県高崎市(鋳物)で見つけたウサギもちょこんと乗ります

【craftsman Daidai】
中西朝一さん
先祖代々受け継がれるような、永く愛され使い続けてもらえる家具を作りたいという思いから名付けました。無垢材にこだわり、飽きのこないシンプルなデザインを常に心がけています。
916-0272 福井県丹生郡越前町樫津51-2
https://www.cmdd.jp/

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五十嵐郁子
1975年生。福井県越前市出身。東京在住。エーデパディレクター。福井県越前市生まれ。日本女子大学卒。大学生の2人の娘の母。東京福井県人会理事。

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愛でる木


カッティングボード


積み木


ペン立て

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特別に美しいお酒SAKETOPIA  〜福井県の5つの酒蔵と初代ミスSAKEが作る日本酒

特別に美しいお酒SAKETOPIA 〜福井県の5つの酒蔵と初代ミスSAKEが作る日本酒

 福井県は、美味しい日本酒が多いことで知られています。私も実際に、お世話になった方への贈り物には、福井の地酒が多く、贈った方には、100%喜んでいただけます。それほど、福井の地酒は美味しいと実感できます。有名な銘柄がずらっと並ぶ福井県ですが、今年販売を開始した特別美しい日本酒があります。今まで日本酒を遠くに見ていた女性の方や若い方にもおすすめしたいSAKETOPIA!

 
ワインボトルのような美しい出立ちの5本「SAKETOPIA」

そのSAKETOPIAとの出会いは、今年行われた東京での福井市応援隊のイベントの一つ「ちびちび飲もっさ会」。(色々疑問がある文章だと思いますので、少し説明を加えます。笑)福井市応援隊というのは、東京(関東地方)で福井市に関係のある方はもちろん福井を好きで応援していきたいという方々の集まりです。私は、烏滸がましくもサポーターとして、関わらせていただいております。ちびちび飲もっさは、まさしく福井弁。説明しづらいですが、楽しく会話しながら、お酒をみんなで飲もう?という感じです。(どなたでも応援隊は入れますので、興味のある方はぜひ!)

 
福井市応援隊のイベント「ちびちび飲もっさ会」で飲み比べの様子

その「ちびちび飲もっさ会」。今年のお酒は、初代ミスSAKE森田真衣さんが福井の酒蔵5軒と作ったSAKETOPIAの飲み比べ。それが私と森田さん、そしてSAKETOPIAのイメージデザインを担当しているいしやまなおみさんとの出会いでした。


9月に行われたエーデパポップアップストアでも大人気でした

ミスSAKEの森田さんが、このSAKETOPIAを作るきっかけとなったのは、福井には美味しい酒蔵が多いことはもちろん、森田さんが所属しているコワーキングスペースが、南青山の291(福井)だということが大きな要因だったそうです。福井県の方々が出入りするオフィスだからこそ、福井県の酒蔵と世界に通用する日本酒を作ろうという思いが生まれ、また、デザイナーのいしやまさん(ちなみにいしやまさんは福井県鯖江市出身)もこのオフィスの一員だからこそ、最初からこのプロダクトに関わってこられたそう。


左:初代ミスSAKE 森田真衣さん、右:聴き屋 いしやまなおみさん

5つの酒蔵と5本のお酒を作ることを決め、それぞれの味わいを設計した後に、その味わいを得意とする酒蔵さんに訪れ、想いを伝え、SAKETOPIAに携わっていただく5社が決まりました。森田さんが納得する味を丁寧に一つ一つ作っていただいたという特別な5本。フレーバーと味を楽しめる5種類は、酒蔵さんごとの特性が活かされています。その一つ一つのイメージを赤、紫、緑、青、黄色の5色のキーカラーで表現され、ワインボトルのような瓶が5つ並ぶと飲む前からワクワクするような期待感。蓋の部分に描かれた伝書鳩は、「世界に羽ばたく」を祈っての裏キャラだといしやまさんに教えていただきました。世界へ発信できる日本酒を作っていきたいという思いで、ユートピアならぬ、SAKETOPIAのネーミング、5本には、「GRACEFUL」「MELTING」「WATERY」「DEPTH」「CALM」という日本の人以外でも全体のイメージが想像しやすく、選びやすい名前が付けられています。

 
ボトルの蓋に羽ばたく裏キャラ伝書鳩


和紙をイメージしたラベルに古代文字風のSAKETOPIA

世界に日本酒を広めたいというお二人の想い、福井県の5つの酒蔵とお料理にあう異なるフレーバーと味わいで作られたこのSAKETOPIA。森田さんは、シンガポールなど各国を訪れ、このSAKETOPIAを広める活動をされています。

 
着物姿でSAKETOPIAを世界に広める森田さん


ワンボトルに注ぐ「MELTING」古代米を使用し、ロゼワインのよう。


ほのかに香るフレーバーを楽しんでほしい「SAKETOPIA」

辛口だとか、すっきりとした味わいだとか、磨きがどれくらいで。。など、日本酒に少し難しさを感じている方も少なくないと思います。しかし、私は『SAKETOPIA』のこの美しさと特別感だからこそ、今まで日本酒を少し遠くに見ていた日本の女性の皆様や若い方々にも手に取っていただけたらと思っています。日本酒のハードルがほんの少し高かった方達が、お友達と特別な日に飲んでみたい、家族の誕生日に一本持って帰りたいなど、思っていただけると嬉しいですね。

初代ミス日本酒 森田真衣さん
埼玉県出身。株式会社FamLab.代表。初代Miss SAKEとして日本酒業界のアンバサダーを務め、海外での日本酒の啓蒙活動を行う。
https://famlab.jp/

聴き屋 いしやまなおみさん
福井県鯖江市出身。グラフィックデザイナーとカメラ。SAKETOPIAの総合デザインを担当。見えないことをカタチにするお手伝い。
https://naomiishiyama.studio.site/

福井市応援隊
https://www.city.fukui.lg.jp/sisei/plan/sonota/p018346.html

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五十嵐郁子
1975年生。福井県越前市出身。東京在住。エーデパディレクター。福井県越前市生まれ。日本女子大学卒。大学生の2人の娘の母。東京福井県人会理事。

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SAKETOPIA WATERY / 吉田酒造 



SAKETOPIA MELTING / 真名鶴酒造



SAKETOPIA GRACEFUL / 伊藤酒造



SAKETOPIA CALM / 毛利酒造

 
SAKETOPIA DEPTH / 畠山酒造

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御竜印を求めて 〜恐竜王国福井の新しい旅〜

御竜印を求めて 〜恐竜王国福井の新しい旅〜

新幹線が開通した福井駅に降り立つと、ホームや駅の構内、周辺で、笑顔で恐竜たちと写真を撮る親子連れや大人たちが目に入ってきます。私には縁遠い(男の子の母親は恐竜の名前を少なからず知っているらしい)恐竜ですが、思わず動画や写真を撮って誰かに見せたくなるほどのクオリティです。


駅舎に描かれたトリックアート。まるで飛び出してきそうな迫力

 
ホームにある恐竜の足跡。細かい仕掛けを見つけると楽しい気分に

福井県は、恐竜が生きていた頃に骨がたくさん溜まった地層を多く発見することができたことと、日本の中でも早くから集中して発掘作業に取り組んでいたことが恐竜王国と言われる要因だとされています。福井県勝山市には、恐竜に関する地球史を学習できる世界最大の博物館「福井県立恐竜博物館」があり、全国から恐竜推しのファンたちが多く訪れる場所です。しかも、来年春には福井県立大学に国内初の恐竜学部が開設されます!

 
北陸新幹線が開通された時の福井駅の様子

そんな福井駅、ホームには恐竜の足跡があったり、トリックアートの恐竜が壁に描かれていたり、ARディスプレイで楽しむことも。。駅を出ると何体もの大きな恐竜が動いたり吠えたりして、お出迎えしてくれます!(最近お目見えした全長10メートルのスコミムスは実際に見ることがおすすめ!恐竜の迫力に圧倒されます)

 

 

そんな福井県ですが、今年の春から恐竜推しの方にはもちろん、そうではない方にもおすすめの「御竜印」で辿る、福の神参りが始まりました!「御竜印」とは、それぞれの神社にゆかりのあるものを恐竜として描かれたいわば、恐竜の御朱印です。福井県にある39の神社(まだ増え続けています!)で、この御竜印をいただくことができます。

 

例えば、エーデパのある越前市の総社大神宮では、「ソウジャアルバータ」という恐竜がいただけます。主祭神である「大国主命」に準え、因幡の白兎を連れて、大国主命(大黒様)の持っている小槌や大きな袋を背負った恐竜です!


エーデパのある越前市の街中に陣取る総社大神宮。おそんじゃさんとして親しまれる神社。
 
ソウジャアルバータは大黒様を見立て、小槌と大袋、因幡白うさぎ

福井市にある藤島神社は、南北朝時代の武将「新田義貞」を主祭神としているため、奉納されている新田義貞の兜をかぶって、刀を構えている「フジシマリュウ」が御竜印とされています。神社好きの私は、こちらでいただける「はじめ守り」がお気に入り。お守りには新田義貞公の直筆の「一」の文字が力強く描かれています。

 
藤島神社御竜印と「はじめ守り」新田義貞公の直筆の「一」

 
パワースポットで有名な毛谷黒龍神社。御竜印は「コクリュウノアンモナイト」


織田信長公を氏神とする劔神社。御竜印は「ツルギプテラノドン」

その他、劔神社の「ツルギプテラノドン」、毛谷黒龍神社の「コクリュウノアンモナイト」など私が春から少しずつ集め、今は8つ。残りの神社を詣で、その神社のことを知りながら御竜印をいただく旅を楽しんでみたいと思っています。

總社大神宮
御竜印:ソウジャアルバータ
〒915-0813

福井県越前市京町1丁目4番35号

ルート1:北陸新幹線福井駅または敦賀駅から乗り換えハピライン武生駅徒歩10分

ルート2:北陸自動車道武生ICから車で20分
ルート3:北陸新幹線越前たけふ駅から車で20分

藤島神社
御竜印:フジシマリュウ
〒918-8003
福井市毛矢三丁目8番21号

ルート1:北陸新幹線福井駅から車10分
ルート2:北陸自動車道福井ICから車で20分

劔神社
御竜印:ツルギプテラノドン
福井県丹生郡越前町織田 110-1

ルート1:北陸新幹線福井駅から車35分
ルート2:北陸自動車道福井ICから車で40分
ルート3:北陸新幹線福井駅または敦賀駅から乗り換えハピライン武生駅もしくは鯖江駅から車で20分
ルート4:北陸自動車道鯖江ICまたは武生ICから車で20分

毛谷黒龍神社
御竜印:コクリュウノアンモナイト
福井県福井市毛矢3丁目8-1

ルート1:北陸新幹線福井駅から車10分
ルート2:北陸自動車道福井ICから車で20分

御竜印公式サイトはこちらから

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五十嵐郁子
1975年生。東京在住。エーデパディレクター。福井県越前市生まれ。日本女子大学卒。大学生の2人の娘の母。東京福井県人会理事。

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御竜印帳


御朱印帳(花鳥)


御朱印帳(でこぼこ)


御朱印帳(椿)

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華やかな色を求めて〜越前塗の旅〜

華やかな色を求めて〜越前塗の旅〜

「京藤」(きょうふじ)と「藤紫」(ふじむらさき)。これは何の名前かお分かりですか?まるで、紫式部の光源氏に出てくるような華やかな女性の名前のようです。どちらも日本古来から伝わる和名で紫の種類です。紫は、平安時代の頃より、高貴で華やかな色と言われてきました。また、近年では、天然石アメジストの色も紫で、心の平穏、安定をもたらす優しい色だとされています。

今回は、オリジナルの越前塗の色が、この2つの色になったお話です。

「京藤」の器たちは、約2年くらい前に作られたオリジナル商品です。淡くて深い透け感のあるピンクの色が存在感を引き立てます。お店で陳列すると、物珍しさに手に取るお客様もたくさんいらっしゃいます。


2年前に「京藤」を作った様子。色を決めては吹きつけて、拭いては吹きつけ。


遂に深い淡いピンクに艶感のある「京藤」が完成。

そして、今年、この「京藤」のアイテムを増やすと同時に、もう一つのオリジナルの色を制作することに。「京藤」を作った時、この色でとお願いしていたのですが、色を調色する段階になって、遠隔で(ディスプレイによる色の違いや照明による色の違い)は、難しいということになり、急遽、その日の午後から新幹線に飛び乗ったのを覚えています。

もう一つの色は、京藤と対する色、華やかだけど、男性でも使えるような、対になる色を。グレイがかったパープルをいつもお願いしているネイリストさんにお願いして(前回の京藤も同様に爪に塗ってもらったものを見本にしました。「爪の色が見本」は初だったそう。。)、私の爪に塗ってもらいました。新しい色の見本となるように、グラデーションで透明感も出しつつ、上品で華やかなパープルを。パープルだけではなく、深みの出るようなグレイやピンクなども足していただきました。


この色でと見本となるネイル色、こちらも苦労して色を出してもらいました。

再び、曽明漆器店の曽明さんと塗り師の竹内さんの工房へ。ほぼ2年ぶりの再会に竹内さんは、苦笑いを浮かべながらも「きてくれただけで嬉しいわ。また、爪か??どんな色??」と招き入れてくれました。ということで、新しい色づくりが始まりました。


ちょっとだけ色を足すことで、ガラッと色が変わってしまうことも。

赤、青、ピンクをほんのちょっとずつ入れて、私と曽明さんとで混ぜながら、木の端切れに塗ってみて、色を足していきます。色が決まったとしても、木地に塗ってみると、表情が変わって見えたり、色が出てこなかったり。何度も塗っては拭いて、調色して、塗っては拭いてと。何度も何度も繰り返しできた色。それが「藤紫」です。みんなが満足する色が出来上がった時の、あの一度めの感覚を思い出しました。


こちら京藤の新しい小皿

新色の「藤紫」グレイが買ったパープルが美しい。


疲れ切った達成感の中、曽明漆器 の曽明さん、塗り師の竹内さん、そして私

曽明漆器 さんのある鯖江市河和田町は、越前漆器に携わるお店や工房が多く集まっているものづくりの街です。鯖江市や越前市の中心からは少し距離がありますが、いくつか工房の見学や工房の直営店があったりと遠くから足を運んで来られる方もいらっしゃるそうです。

曽明漆器 さんもそういう方達のために、最近ギャラリーを作られたそうです。初めて通していただいたお部屋には、荘厳な美しい今昔の漆器たちが揃い、漆の艶やかな佇まいや蒔絵の繊細な美しさにしばし時を忘れて魅入ってしまうほどでした。言葉を連ねるよりも、実際に見て、この歴史の深さ、真剣さをたくさんの方々に感じていただけたらと思います。


曽明漆器 さんギャラリー。今昔の越前漆器がずらり。


越前漆器の特徴、豪華な蒔絵は繊細なのに力強い美しさ

今回の「京藤」「藤紫」は漆の器ではございませんが、漆の街で、ものづくりのプロ達の手を借り、こだわり抜いて作った器です。可能性を感じながら、ものづくりに取り組めるこの機会を大切に、お客様にも巡り会えた器として感じていただけたら、手に取っていただけたらと願います。


店頭に並ぶ「京藤」と「藤紫」華やかな色が目に止まります。

【曽明漆器店】
福井県鯖江市西袋町67-13-3
TEL:   0778-65-0071​ FAX:  0778-65-0098

営業時間: 10時~18時 
定休日:土日
※ギャラリー見学は、事前連絡をお願いします!

ルート1:JR越前たけふ駅から車にて30分
ルート2:北陸自動車道鯖江ICから車で15分
ルート3:ハピライン鯖江駅から車で20分

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五十嵐郁子

1975年生。東京在住。エーデパディレクター。福井県越前市生まれ。日本女子大学卒。大学生の2人の娘の母。東京福井県人会理事。

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越前塗オリジナル小皿


越前塗オリジナル木製椀(京藤)


越前塗オリジナルティースプーン

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My 包丁はお持ちですか?

My 包丁はお持ちですか?

ついこの間まで、ステンレス製の包丁を使い、なるべくならキッチンにいる時間の短縮ばかりを考えている私が、越前打刃物という高級な包丁を使うことになるとは。。友人でもある伝統工芸士の戸谷 祐次さんが、新しく癶というブランドを立ち上げるという話を聞き、即断即決即購入。



左は新商品の巴刃。予約待ち商品もあります。

トマトがスーッと切れるなんてこと、よく聞きますが。え?あ!っていうほど、普段の生活の中の、みじん切り乱切り何もかもがストレスなく切れていきます。これが本当の打刃物かぁと、調子よくお料理に取り組んでいたのも束の間、My包丁が、刃が欠けるという大惨事に。(固いものを切るときにねじって切るときにこぼれやすいようです。切れ味が良いので、真っ直ぐ切るが正解!!)

戸谷さんのいるタケフナイフビレッジでは研ぎ直しもしているということを聞き、早速(笑)行ってまいりました!


研ぎ直し前の私の包丁。根本部分が何箇所か刃がこぼれています

なぜか苦笑いで研ぎ場に向かう Sharpening four代表戸谷 祐次さん

3種類の機械を使って、丁寧に戸谷さん自身が指で確認をしながら研いでくれるのを上から感動して眺めているのもあっという間。マイ包丁が購入したばかりの時の姿に戻り、私は大満足。(この包丁は、「ラゾーナ川崎」のポップアップストアの時に試し切りで使ってもらえるよう、そのままで保管中!)

回っている機械に丁寧に刃を当てて研いでいる様子


まるで新品のような私の包丁。ラゾーナ川崎で試し切りもしていただけます。

タケフナイフビレッジは14社の刃物会社が共同で運営を行なっています。40名以上の職人が所属し、そのうち16名が伝統工芸士の認定を受けています。700年もの歴史のあるこの越前打刃物が、高度成長期とともに刃物の機械化が進み、苦境に陥った際は60社もあった刃物会社が減少したそうです。その時に、10社がこのタケフナイフビレッジ協同組合を立ち上げ、今ではこのような県内外からも職人になりたいという人たちが集い、みんなで教え合い、後継者を育てていく仕組みができたそうです。

「世界の名だたるシェフがお忍びで購入しにくるイメージの越前打刃物なんだけど。。。(私のような素人が使っても?)」と聞くと、

「今は、料理人以外の人たちが、1〜2時間悩んで悩んでマイ包丁を1本買っていくわ〜」と、ちょっと安心。


私と戸谷さん。いつになく真面目な話し中。

私も、もう20年近く母親業をしていますが、そういう人たちこそ、My包丁を持ち、少し気持ちを上げて料理の時間が楽しくなるといいなと思っています。もちろん、母親じゃない人も。毎日料理をしない人も。時間をかけて一本を選ぶ。好きな器を揃えるような気持ちで、My包丁を持つことは素敵なことです。このように大切な包丁にメンテナンスをして、長く使うことも自分自身のメンテナンスにつながるような気がします。料理の時間を、そして自分自身をちょっとだけ特別にしてくれる包丁になるでしょう。


また、このような話も聞かせてくれました。わざわざ越前打刃物を見に来てくださる方たちのために、このナイフビレッジの周りに新しい工房が増えたり、飲食店や宿泊などの機能を備えた建物などをイメージし、まさにビレッジ構想も検討されているそう。今でも国内外からたくさんの包丁目的の方が来られる人気のナイフビレッジですが、尚一層、ナイフ村に行ってみたいと思わせるようなワクワクする話。近い将来の実現が楽しみです。

【タケフナイフビレッジ】
​〒915-0031 福井県越前市余川町22-91 
TEL: 0778-27-7120 
営業時間: 9時~17時 
定休日:年末年始のみ

ルート1:JR越前たけふ駅から車にて10分
ルート2:北陸自動車道武生ICから車で10分

Guest:  
Sharpening four 代表  戸谷祐次さん
伝統工芸士。3代目。各種刃物の刃付、研ぎ直し(両刃・片刃・大工道具・各種ハサミ・ナイフ・機械刃など)。
2020年に2代目から会社を継ぎ、社名を「Sharpening four」に改名
https://sharpeningfour.org/



こちらの千代鶴神社にて、不要な刃物を供養してくださいます。
エーデパに持参していただければ、承ること可能。(郵送も可・送料は負担していただきます) 

【a.department store】
​〒915-0071 福井県越前市府中1−12−18
TEL: 0778−24−3220 

ルート1:JR越前たけふ駅から車にて15分
ルート2:北陸自動車道武生ICから車で15分
ルート3:ハピラインたけふ駅から徒歩1〜2分

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五十嵐郁子

1975年生。東京在住。エーデパディレクター。福井県越前市生まれ。日本女子大学卒。大学生の2人の娘の母。東京福井県人会理事。

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癶-HATSU-三徳/ケヤキ拭き漆丸柄


癶-HATSU-巴刃


山田英夫商店/小三徳包丁

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和紙のある暮らし

和紙のある暮らし

エーデパの仕事に携わるようになってから、生活の中で、和紙をたくさん目にするようになりました。例えば、娘たちがゲームカセットを入れている箱や、私の名刺、御朱印帳など。。。メモ書きやお手紙に懐紙を使うこともあります。また、明治神宮でいただいたおみくじは、越前和紙だということもわかりました。

娘たち愛用の和紙箱。存在感もあり、大切なもの(?)を入れるのにぴったりだそう。5年愛用中。

福井らしい恐竜や紫式部など様々な懐紙。渡す相手や用途によって、使い分けています。

今回は、このように徐々に増えていった越前和紙について、お話ししたいと思います。越前和紙は福井県の伝統工芸7つのうちの1つ、越前市今立地区にて製造されています。多くの紙を漉く工房が軒を連ねるのは、五箇地区。それぞれ特徴のある高級な越前和紙を漉いています。

そして、みなさんに一度訪れていただきたいのが、岡太神社・大瀧神社。紙の神様が祀られている唯一の神社。神社は山頂にある奥の院と山のふもとにある里宮からなる神社で、奥の院(上宮)には、岡太、大瀧両神社の本殿が並んでたち、下宮は、両神社の共有とされていることからこのような2つの神社の名前が連ねられているそう。そして、女性の紙の神、川上御前が祀られ、全国の紙業界から崇敬を集め、祭りのときには全国からたくさんの参拝客が集まるそうです。お祭りの時以外でも、木々の聳える青々とした空間に凛とした佇まいの神社(下宮)は、時間がなくても立ち寄って息を整え、姿勢を正すお気に入りの場所です。


「川上御前のいわれ」毎回じっくりと読んでしまいます 


また、越前和紙の技術を受け継ぎ、伝える方々にお会いして、お話をするのも私の好きな時間。それぞれ特徴のある和紙を商品化し、販売されていたり、紙漉きなどの体験をさせていただくことも可能です。私は必ずお気に入りを見つけてしまうため、私の暮らしには徐々に和紙が増え続けます!


やなせ和紙さん。こちらに来ないと買えない手漉き和紙。一枚一枚違う表情。

五十嵐製紙さんにて。紫式部ゆかりの地「越前市」にちなんで紫式部ちゃん、藤原為時くん。

最近のお気に入り「うさぼっくす」。1匹連れて帰りました!

【岡太神社・大瀧神社】
〒915-0234 福井県越前市大滝町13-1

ルート1:JR越前たけふ駅から車にて10分
ルート2:北陸自動車道武生ICから車で10分
ルート3:JR武生駅から福鉄バス南越線「和紙の里」下車徒歩約10分

【株式会社五十嵐製紙】
〒915-0233 福井県越前市岩本町12-14
http://www.wagamiya.com/index.html

【有限会社やなせ和紙】
〒915-0234 福井県越前市大滝町24-21
https://washicco.jp/index.html

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五十嵐郁子

1975年生。東京在住。エーデパディレクター。福井県越前市生まれ。日本女子大学卒。大学生の2人の娘の母。東京福井県人会理事。

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御朱印帳(大)


越前和紙懐紙 フクイラプトルカラフル


エーデパオリジナルポチ袋(大)


うさぼっくす

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念願の若狭パール島。めぐりあった自分だけの真珠

念願の若狭パール島。めぐりあった自分だけの真珠

人生福井半分、東京半分の私が、福井県で1番訪れてみたかった真珠の養殖場「若狭パール」。エーデパでは、安価で質の良いと、非常に人気ですが、福井県の越前市出身(福井県は嶺北と嶺南に分かれ、方言も文化も少し異なります。それについては次回以降)私は、人生において5〜6回目の嶺南地方の旅。念願の若狭パール MAMIYAへ!


私のイタリアに住むジュエリーデザイナーの友人(彼女も福井県出身)から、一昨年「え??いっこさん、行ったことないの。質の良い真珠がたくさんテンション上がるし、島というシチュエーションは感動する」と言われてから、「行ってみたい♥️」にとりつかれて2年越しのタイミングでいってまいりました!

若狭海沿いを走り、大飯町へ入ると海の中に長ーい橋、ナビに連れられ橋を渡ることに。運転のスタッフも私もテンションあがりまくりで、この「青戸の大橋」を越えたら、なんとそこはパール島(勝手にネーミングごめんなさい)
養殖場に圧倒され、道を進むと、若狭パールのショップが。。


大飯町から橋の向こうに見えるのが「養殖場」のあるパール島

女性なら誰もが憧れる真珠。粒の大きさ、そして照り、輝き具合が実はひとつひとつ個性があります。冠婚葬祭用のオーソドックスな清楚な花珠のパールネックレスはもちろん、最近人気のバロックパール(イタリア語で凸凹した自然の形)もたくさん揃っています。

色も乳白色から、ブルー系、黄色みの多いものなど、さまざまなアクセサリーが店内に飾られています。

窓からは一面に真珠養殖場が見えます

私は、普段にも使えるシンプルな一粒のピアスが欲しかったため、店主の森下さんにご相談させていただきました。おおよそ、同じ大きさのバロック真珠のシートを見せていただき、輝き具合や形など、吟味して(森下さんとスタッフ、私とでわちゃわちゃと)パールをふた粒、選ばせていただきました。そして、存在感のある大きめのバロック真珠をシンプルにフック型のピアスに仕上げていただきました。



 
あこや貝に核を入れて作られる真珠はあこや貝の照りや輝きによってひとつひとつ異なる美しさになります。


同じような粒を集めたパールのシート!感激です。


乳白色の9mm橋のバロック本真珠。ゴールドのフック型のピアスに。実店舗のみ販売カスタム受付中。

【若狭パールMAMIYA】
〒919-2106 福井県大飯郡おおい町犬見31-28
ルート1:JR敦賀駅から小浜線に乗り換え若狭本郷駅下車、車にて10分
ルート2:舞鶴若狭自動車道 小浜西IC下車、車にて15分

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五十嵐郁子

1975年生。東京在住。エーデパディレクター。福井県越前市生まれ。日本女子大学卒。大学生の2人の娘の母。東京福井県人会理事。

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9mmフープピアスゴールド(あこや本真珠)

9mmフープピアスブルー(あこや本真珠)

akoyaハート真珠ペンダント

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