ILIA(イリア) 和紙の花プロデューサー 五十嵐純子さん
ILIA イリア 和紙の花プロデューサー 五十嵐純子さん
和紙は幅が広くて、無敵に限りなく近い!
世界とつながり、和紙の素晴らしさを伝えていく。
和紙は喜びを倍増させる力がある。
だから、何かに生かしたい。
まるで生花のように美しく瑞々しく、半永久的に咲き続ける和紙の花。それを作り上げる五十嵐純子さんが和紙に興味を持ったのは、意外にも結婚後。越前和紙の産地、今立地区で手すき和紙に携わる義父の存在がきっかけでした。
「製造上で出るいろいろな損紙をいただき、便せんや封筒、花束のラッピング、調湿効果があるので畳の下に敷いたりと、いろんなシーンで活用していました。そこで感じたのは、和紙は人を喜ばせ、喜びの形も倍になって伝わるということ。和紙ってすごいなぁと感動しました」
同時に、越前和紙の需要減少も気になるようになり、生花店を営んでいる五十嵐さんは和紙を活用した“和紙の花”を思いつきます。最初は生花とも関りが深いプリザーブドフラワーからヒントを得て、和紙そのもので花を作る現在のスタイルをひらめいたそうです。
美しいモノやコトから刺激を受けることが
商品アイデアにつながる。
和紙の花で使用するのは水揉み和紙。揉むことでシワができ、それが独特の表情になっていきます。「和紙は揉むほどに深みを増し、表情ができ、立体的になり、自然な雰囲気に仕上がっていきます。そんな風に表情豊かなのは和紙が自然で、先人達が長年かけて作り上げてきたものだからだと思います」
最初は花だけでしたが、今ではブローチやピアス、ネックスレスなどアクセサリー類や、ハーバリウムやリース、ディフューザーなどインテリア類も増えています。昨今の新型コロナウィルス感染症対策として、和紙のマスクも製作中です。「和紙をいろんなモノに変化させて、もっと世界に伝えていきたい。それくらい和紙の可能性は無限大! 今は頭の中にアイデアが湧いている感じです」。 湧いて溢れるほどのアイデアのヒントはどこからとお聞きすると、「いろいろな美しいモノやコト、言葉などを見たり、聴いたり、触れたり、とにかく刺激をもらうこと。刺激があると発見があり、やりたいことがどんどん出てくるんです」。 五感をフル活用し、得られた刺激と和紙を結び付け、様々なアイテムを企画して作り上げていく五十嵐さんはとても楽しそうです。
手をかけるほどに表情が豊かになり、
作り手の個性やセンスが生きてくる。
五十嵐さん自身が感じている楽しさと和紙の可能性を広く知ってもらおうと、製作キットにも力を入れています。特に昨今の新型コロナウィルス感染症対策の自粛生活では、“手作り”が注目されています。
「作っている時は集中できますし、時には嫌なことも忘れられて、リフレッシュにもなります。それに贈り物なら、手作りをすることでその想いは倍増されて届くでしょうし、それが和紙であればなおさら、相手の喜びもさらに大きいのではないでしょうか」
製作キット以外にも、「和紙の花」の認定講座や体験教室も開催。意外にも男性の参加者も見られるとか。
「作品には個性やセンスが反映されますが、決して“失敗”はありません。長いかな?と思えば切ればいいし、もっと表情を出したいなと思えば揉んだり折ったりすればいい。布だとそういうわけにはいきませんよね。和紙は本当に幅が広く、懐が深く…和紙は無敵なんです」
和紙が持つ可能性を信じ、いろいろなアイテムを創造していく五十嵐さん。今後は世界への発信に加え、紙に携わる世界の人達との交流も考えているとか。半永久的に咲き続ける和紙の花のように世界との交流は長く、美しく、今まで以上に刺激的で、斬新な和紙の新商品が生まれるヒントになりそうです。
ILIA イリア 和紙の花プロデューサー
五十嵐純子さん
平成22年、生花店経営のかたわら和紙の花を作り始める。各種花束や鉢植え、ブライダルブーケなど花関連の他、和紙を使ったさまざまなアイテムを企画、考案、制作中。和紙の花教室や講座を開催、資格認定制度も確立。指導者育成にも注力している。地元イベントなどにも協力・貢献、現在は地元鯖江市吉江地区に根付く双葉葵に注目している。【ILIA(イリア)】は和紙の造花として商標登録済。