日本六古窯として
日本遺産に 認定された
越前焼
「越前焼」が生まれたのは、今から約850年前の平安時代末期のこと。福井県丹生郡越前町に鉄分が多く粘りのある陶土が存在したことがきっかけで、この地に誕生しました。当初は、主に水がめやすり鉢といった日用雑器を中心に生産されていました。一時は衰退をみたものの、研究者らの尽力によって復興を遂げると、昭和23年には「日本六古窯」のひとつに数えられるようになり、さらに平成29年4月には日本六古窯として日本遺産に認定されています。越前焼作家の山路茜さんが主宰する「あかね陶房」は、その発祥の地である越前町にあります。周囲は緑にあふれ四季折々の季節の移ろいが肌で感じられる、自然豊かな場所です。
“Echizen ware” was born about 850 years ago. It was born in Echizen-cho after the fact that there was a sticky porcelain with a lot of iron. Echizen ware was also in a period of decline, but due to the efforts of researchers, it was counted as one of the "Japan six old kilns" in 1948, and in April 2017, Japan six old kilns As a Japanese heritage.
友人宅で偶然触れた
ろくろの感触が
越前焼作家への転機に
山路さんが越前焼に出会ったのは27歳の時。高校の同級生に越前焼の窯開きに招かれた陶房で、電動ろくろで作陶をさせてもらった時です。「『あっ!この感触』と思って。土から手に伝わる感触が何ともいえなかったんです」と山路さん。すでにお二人のお子さんもいましたが、その感触が忘れられず、1962年に北野七左衛門氏に弟子入りを志願。「当時、女性で焼き物をする人などいなくて。みな弟子入りを断られた中で、北野さんだけが許可をくださって」と当時を振り返ります。兄弟子はしっかりと技術を仕込んでくれ、1969年、福井県越前町(旧宮崎村)樫津に窯を開きました。越前焼の女性作家として草分け的な存在。藍化粧刷毛目の大胆なデザインや独自の手法でそれまでの越前焼にはない作風は、新しい風を越前焼に吹き込みました。
Mrs. Yamaji met Echizen ware when he was 27 years old. She was shocked by the hand touched by the earth at the pottery invited to open the Echizen ware kiln. She was unforgettable, and volunteered to be apprentice to Nanae Kitano in 1962, while the woman wasn't baking. She became a pioneer as an Echizen ware female potter. The bold design and technique of indigo makeup infused a new style that Echizen ware has not had before.
確かな基礎に支えられた
唯一無二の
美しいフォルム。
山路さんは常に「基本」を大切にしていると話されます。美しいフォルムから感じられるゆるぎない安定感は、数多くの作陶を経て、時間をかけて身に着けた基礎の力があってこそ。藍色の大胆なデザインながら優しさも感じさせる器や湯呑は、普段使いとしても贈り物としても喜ばれています。掌にしっくりとなじむ山路さんの越前焼。女性が使用することを意識して、少し小ぶりに作られているそうです。現在は、子息の逸平さんも「あかね陶房」に在籍。逸平さんは、茜さんとは作風も違う置物の「おきあがりこぼし」を生み出しました。茜さんが「私には出せないのよね」と笑う、干支や動物などのやさしい表情は、逸平さんならではの作風です。息の長いロングセラーとして愛されて続けています。あかね陶房には、二人の関係のような凛としたでも穏やかな空気が流れています。
She always values the “basic”. The unwavering sense of stability that can be felt from the beautiful form is due to the power of the foundation worn over time through numerous ceramics. Her bowl is appreciated as a gift for everyday use. Now, her son, Ippei, has also created the figurine “Okiagari Koboshi”, and the gentle expressions of the zodiac and animals are unique to him.