Atelier Tiara 主宰 木下麻衣さん
時間を忘れて、何かに夢中になれる時間を
創れることで心に余裕が生まれる
フランスの伝統工芸「カルトナージュ」の教室を主宰する「Atelier Tiara」の木下麻衣さん。福井と東京での会社員生活を経て結婚。子育てに追われていた約10年前にカルトナージュに出会いました。ママ友に誘われて展示会に行ったところ、あたたかみに溢れた愛らしい箱に、深い感動を覚えたといいます。「布地と厚紙がこんな風に立体になって好きなものを作ることができるなんて!とワクワクしました」。自分でも作ってみたいと、カルトナージュをされていたママ友に教えてもらい作品づくりにトライ。
「もともと布地も大好きでしたし、作るのが本当に楽しくて。子供たちを寝かしつけた後、時間が経つもの忘れて没頭していました(笑)」と木下さん。
カルトナージュを通じて、
みんなでリラックスして楽しい時間を過ごせたら。
当時、福井ではカルトナージュはあまり知られておらず、自らのスキルを高めながら、ひとりでも多くの人に、その魅力を知ってもらいたいと思っていた木下さん。作品を作り続けていく中で、友人や知人か教えてほしいとのリクエストも多く、思い切って教室を始めることに。
現在では地元新聞社の文化サロンで講師としても大活躍。たくさんの生徒さんが通っていらっしゃいます。「自宅でのお教室では普段のことなども話しながら、とにかくリラックスして頂けるように考えています。母親、主婦として、忙しい日々を過ごされているみなさんの癒しの時間になってもらえたら。何より私も刺激を頂いていますし、カルトナージュのお教室がある日は、朝から楽しい気分で、家事もてきぱきすすむんです(笑)」。木下さんご自身も中高生になる2人のお子さんのお母様。今でこそ、子供たちも大きくなり自分の時間も大切にできるようになりましたが、お母さんである女性たちの忙しさは実体験を通して、とてもよく理解できるといいます。
お教室はお茶を飲みながら、お昼も一緒にしたり、時には4~5時間になることも。子育て中は忙しく、どうしても気持ちも張りぎみに。そんな気持ちをほぐしてくれる木下さんの和やかな教室は長く続けられている方が多いそう。ご自身も無理をしないスタンスで、土・日は教室を開催せず、家族との時間を大切しているそう。「休みの日は、リビングで主人も私も同じ空間にいて、お互いに好きなことを楽しんでいます」。様々なことに積極的に取り組みながら、なぜか肩の力が抜け、周りをリラックスさせてくれる木下さんの雰囲気は、こんなところからきているのかもしれませんね。
何かに没頭できる時間を持てることは幸せなこと。
カルトナージュと出会って以降、定期的な教室の開催や、ブログ記事での情報発信など、認知度向上を図っている木下さんがいつも大切にしていることは、受講生やお客さん一人ひとりの好みや希望に耳を傾けること。
「使われる生地もモノトーンなどにすることで、作品はがらりと変わります。好きな生地を使って頂いて、その人ならではの作品を作って頂けたら。その色使いなども勉強になっています」。娘さんの結婚式で使うリングピローやウェルカムボード、芳名帳をつくるために何度も通った生徒さん、生まれてくる我が子のためにオムツ収納BOXや写真立てを作りに通われた生徒さんなど、木下さんのもとでものづくりの楽しさを実感した人も数知れません。
「布地だけでなく、革や和紙、着物の生地を使うのもカルトナージュです。スマホケースやチケットケースなど、何でも作ることができますし、きっとカルトナージュが好きな方がもっといらっしゃると思います。その楽しさを伝えていきたいですね。今でも作品を作ることは楽しいですし、何より、何かに没頭できる時間を持てることは幸せなことだと思います」。