漆器久太郎 曽明富代さん・晴奈さん

自分たちが好きで、暮らしを彩るモノを。
母娘、産地だからこそ生み出せる漆器と塗り物を。

互いに真剣だからこそ衝突することも。良いモノへの想いは母娘共に同じ。

「漆器久太郎」ブランドで、様々な漆器や塗り物を企画、商品化しているのが曽明富代さんと晴奈さん母娘です。十数年前、富代さんは産地でいち早くネットショップをスタートさせ、同ブランドを確立。食卓を彩る器や雑貨など、少しずつアイテムを増やしていきました。そこにWebやデザインを学んだ晴奈さんが加わりました。それぞれに企画を考え、持ちより、話し合って商品化を進めるスタイル。富代さん曰く、「今までにない斬新なデザインやアイテムが増えました」と話します。互いに良いモノを作ろうとするあまり、意見がわれたり衝突することもあるそうですが「言い合うことがあっても、気まずさが長引くこともなく、親子でよかったなぁと思います()。それに知識や技術、視野の広さは母に頼ることも多く、勉強になります」(晴奈さん) 



固定観念に疑問、そして挑戦した結果、オリジナル「Kyutarou BLUE」が誕生。

現在、力を入れているのは「Kyutarou BLUE(久太郎ブルー)」。20192月の発売以来、幅広い層に注目されています。発案は晴奈さんで、素朴な疑問がきっかけだったと言います。「ブルー(青色)は、食器に不向きな色だと言われていますが、どうしてだろう、本当なのかな?って。福井デザインアカデミーでは自分
のやりたいことを見つめ直したのをキッカケに、まずは挑戦してみようと」 様々なアイテムを一緒に作ってきた職人と話し合い、何度も何度も試行錯誤。そしてようやく出来上がったのが「Kyutarou BLUE」。最初のお披露目は、ギフトショーでした。「面白い!との反応で、特に多かったのは意外にも海外の方や男性の方でした。全塗りにせず木目を生かし、ブルー×木目のコントラストの美しさも目を惹いたのだと思います。他がやらないことを最初に挑戦することで強く印象に残ったと思いますし、手応えも感じられました」。まさに挑戦したからこそ、得られた喜びです。

 

ちなみに、「Kyutarou BLUE」の塗料は繊細で、季節や湿度などで生地への発色が微妙に変化する職人泣かせの色です。しかしそんな課題も挑戦者、晴奈さんは発想をうまく転換。現在、濃淡2色展開でアイテムを増やしているところです。

心配性の母と挑戦者の娘の二人三脚。二人の想いが詰まったアイテムに期待。

富代さん、晴奈さん母娘が企画するものは“生活を豊かにするモノ”。「こういうモノがあったらいいなぁ~と思うものを企画、販売しています」とお二人。販売状況を見ながら、工夫を加えていくこともあるそう。「人気アイテムの一つに重箱があります。最初は木目を生かしたシンプルなデザインでしたが、仕切りを加え、次は小皿を加えと、進化させています。いろんな使い方ができて好評です」(富代さん) 富代さんも晴奈さん同様、チャレンジ精神旺盛!と思いきや「これでいいかな?大丈夫かな?といつも心配なんです(笑)」という一面も。しかしそれらの心配事は、晴奈さんをはじめ、知識や技術を身近で教えてくれるご主人や職人さん達のサポートやアドバイスで一つずつ払拭されています。漆器は分業化されておりチームで作り上げていく楽しさもあるそうです。

「母娘だからできることはまだまだあるし、何でも挑戦していきたい。作品ではなく商品としての「越前久太郎」ブランドをさらに展開していくつもりです」

様々な器に酒器、菓子器、雑貨、スマホケースなど、生活を豊かにし、毎日を笑顔にするアイテムは多数。「次はどんなアイテム?」と期待せずにはいられません。

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漆器久太郎
曽明富代さん・晴奈さん

創業大正12年の株式会社曽明漆器店の企画を担当する母娘。母 富代さんは曽明家に嫁ぎ、経理や検品などを担当。十数年前に産地ではいち早くネット販売を開始。その後、Web・デザイン担当として晴奈さんが家業に従事し「漆器久太郎」ブランドを確立した。漆器や塗り物に加え、他工芸品とのコラボレーションも思案中。

カンパニーエードット