福井・若狭が誇る幻の梅「紅映梅」と梅仕事の楽しみ

福井・若狭が誇る幻の梅「紅映梅」と梅仕事の楽しみ

受け継がれる祈り、縁起柄の物語 読む 福井・若狭が誇る幻の梅「紅映梅」と梅仕事の楽しみ 1 分

福井県・若狭地方を代表する梅の品種「紅映梅(べにさしうめ)」。

この梅は、一度見たら忘れられない、一度食べたらまた食べたくなる――そんな愛らしい魅力を持った梅です。

なぜ、これほど多くの人を惹きつけるのでしょうか。

その理由のひとつは、その名の通り、完熟すると果皮がほんのり紅色に染まること。
まるで頬を赤らめたような、やさしく可憐な色合いは、どこか純粋で愛らしく、人の心を自然と惹きつけます。

もちろん、魅力は見た目だけではありません。

香り、果肉、味わい。
その三つのバランスが、紅映梅は本当に素晴らしいのです。

大粒で果肉は厚く、とてもやわらか。種が小さいため可食部も多く、「食べて美味しい梅」として料理人や作り手からも高く評価されています。

加工すると、酸味の中にまろやかさが生まれ、香り高く、深みのある味わいに。
梅干し、梅酒、シロップ、ジャム――どんな梅仕事にも向く“万能な梅”とも言われています。

また、若狭の自然環境も紅映梅の魅力を支えています。

海から吹く風、寒暖差のある気候、豊かな水。
この土地ならではの環境が、ふくよかな香りとやさしい酸味を育てています。

そして何より、生産者の方々が長い年月をかけ、丁寧に育て続けてきた歴史があります。

一粒一粒に手をかけながら受け継がれてきた紅映梅には、土地の文化や暮らし、人の想いまでも感じられるようです。

しかし、そんな紅映梅は、まだ“知る人ぞ知る梅”。
全国流通量はわずか1%ほどと言われています。

もし出会う機会があれば、ぜひ一度、梅仕事を楽しんでみてください。

今回は、その中でも特におすすめしたい「梅干し」をご紹介します。

紅映梅は種が小さく果肉が非常に厚いため、梅干しにすると、ふっくらやわらかく仕上がります。
繊維も少なく、口当たりはとてもなめらか。

昔から福井では、「梅干しに最適な梅」として親しまれてきました。

特に、完熟してほんのり紅色に染まった実で漬ける梅干しは、香りも格別です。

完熟した実の美しさ、厚い果肉、やわらかな食感、豊かな香り――。
紅映梅の魅力を最も感じられるのが、梅干しなのかもしれません。

福井の風土を閉じ込めるような保存食であり、一年を通して楽しめるのも大きな魅力です。

今回は、紅映梅の魅力をしっかり味わえる、昔ながらの「しょっぱいけれど美味しい梅干し」の作り方をご紹介します。

【完熟紅映梅の梅干し】

〈用意するもの〉
・紅映梅 … 1kg(完熟して少し黄色くなったものがおすすめ)
・粗塩 … 180g(梅の18%)
・ホワイトリカー … 少々(消毒用)
・赤紫蘇 … 200〜300g(お好みで)
・赤紫蘇用の塩 … 40gほど

① 梅を追熟させる
青みが残っている場合は、新聞紙などの上に広げて1〜3日ほど置きます。
甘い香りがして黄色くなれば食べ頃。
完熟すると、紅映梅はほんのり紅色に染まり、とても美しくなります。

② 梅を洗い、ヘタを取る
やさしく水洗いし、竹串などでヘタを取ります。
傷つけないよう丁寧に扱い、水気はしっかり拭き取ります。

③ 容器を消毒する
保存瓶や漬け容器をホワイトリカーで消毒します。

④ 塩で漬ける
梅と塩を交互に重ね、最後は塩で覆うようにします。
重石は梅と同じくらいの重さが目安。
数日すると梅酢が上がってきます。

⑤ 赤紫蘇を加える(お好みで)
赤紫蘇は塩でもみ、アクを抜きます。
出てきた汁は捨て、梅酢を加えると鮮やかな赤色に。
それを梅の上にのせます。

⑥ 土用干し
梅雨明け頃、晴天が続く日に3日ほど天日干しします。
昼は外、夜は室内へ。
太陽の光と風を浴びることで、香りとうまみがぐっと深まります。

⑦ 完成
干し終えたら保存容器へ。
すぐに食べることもできますが、半年〜一年ほど寝かせると塩味がなじみ、さらに美味しくなります。

〈美味しく仕上げるコツ〉

・「完熟梅」を使うこと
これが何より大切です。
完熟した紅映梅は果肉がやわらかく、皮も薄いため、とろけるような梅干しになります。

・塩を減らしすぎないこと
初心者の方は15〜18%がおすすめです。
減塩しすぎると、カビが出やすくなります。

・三日干しを惜しまないこと
土用干しで味が決まります。
香りも旨みも、この工程で大きく変わります。

a.department storeでも収穫したての紅映梅を期間限定で販売しております。12日までの注文受付となっていますので、ぜひとも、お早めにお申し込みくださいませ。

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五十嵐郁子
1975年生。東京在住。エーデパディレクター。五十嵐羅紗店お姉(おあね)。福井県越前市生まれ。日本女子大学卒。大学生の2人の娘の母。東京福井県人会理事。福井市応援隊サポーター。
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