美樹子ばぁばの「へしこ」

美樹子ばぁばの「へしこ」

日本一美味しいすいか「しらやま西瓜」 読む 美樹子ばぁばの「へしこ」 1 分

みなさま、こんにちは。

「へしこ」という食べ物をご存知ですか?そして、郷土料理として、福井県のお土産としてもとてもポピュラーなものになっているので、一度は食された方もいらっしゃるかもしれません。塩漬けしたサバを、こぬかと塩で半年ほど漬けて作られます。発酵食品のへしこは、DHA・EPAを多く含むサバの高い栄養価に加えて、ミネラルやアミノ酸が含まれるヘルシーフード。免疫力がアップし、新陳代謝の促進も促せるようです。また、血圧も抑制し、正常化させる効果があると言われています!


今ではへしこをつけて作るご家庭は非常に少なくなっていると思いますが、お気に入りのへしこを購入している方も多いような気がします。ただ、手作りで作られているへしこは高齢化も進み、年々作られている方も少なくなり、数も少なくなるので、手に入らなくなってきたと嘆く友人もいます。

私のへしこ歴は、それこそ小さい頃から、母が焼くへしこの強烈な匂い。お茶漬けには欠かせないちょっとずつ摘んでご飯と一緒に食べるという大人の食べ物(勝手にそういうイメージ笑)が嬉しくてたまりませんでした。

作り手が異なると味も全く異なってくるへしこ。本当に美味しいへしこを皆様にお届けしたいという思いが強く、地元のいろんな方に聞いていたところ、懇意にしている方から、格別に美味しいへしこを作っていらっしゃるかたがいるとのご連絡を受け、行ってきたのが「美浜町」!三方五湖の一つである日向湖の湖岸にある「日向へしこ酵房 日の出屋」さんへ行ってきました。日向湖は海に面しているため、海水になっています。そのため、美味しい魚が漁れると漁が盛んで、とれたての新鮮な魚を振る舞う民宿がいくつかあります。日の出屋の加藤美樹子(82歳)さんも、民宿の女将を続けながらへしこ作りを続けてきたそうです。そして、美浜町の事業として、名物料理検討委員会が設置され、旅館、民宿の女将さんたちでへしこのレシピを開発したものが美浜町名物料理に認定されました。加藤さんもその委員のお一人として、携わってこられました。

加藤さんのへしこは、通常のものとは異なり、塩漬けをした後、米ぬかと魚醤を加えた秘伝のタレで約1年近く漬けます。塩漬けした時にできるシエ=魚醤を使い、昔ながらの製法で作られ、減塩で旨味の強いのが特徴です!


道路を挟んですぐが湖


重たい漬け石で約1年漬けます

そんな中、美樹子さんは、新しい挑戦をしました!「日向へしこ酵房 日の出屋」を立ち上げて、娘さんとへしこ料理を気軽に美味しく召し上がっていただける「へしこ茶屋」をオープンさせようとします。オープン間近という頃、突然、娘さんが亡くなられたそうです。簡単には書けないくらいの喪失感、悲しみだと思います。美樹子さんは、一度は諦めようと思ったところ、家族の皆様の支えがあって、娘さんが残したへしこの漬け方の分量をもとにへしこ作りを再開し、「へしこ茶屋」を開店させました。


日の出屋女将、加藤美樹子さん。写真などでへしこの作り方などもお話ししてくださいます。

美樹子さんが私たちに一連のお話を聞かせてくださったあと、私たちはへしこ料理の体験やへしこ茶屋にて、「あんかけ粥」や「天むす」を美味しくいただきました。今まで食べていたへしことはまるで違う優しい味で身もふっくらしていて驚きを隠せませんでした。


へしこで作ったパスタ!本当に美味しいかったです。


あんかけ粥と天むすをいただきました。優しい味にとりこになりそう。

ご家族で作られている「日の出屋」さんのへしこは、たくさんの数ができるわけではありません。数量限定の予約販売ならということで、皆様にお届けできるようになりました。今回は、加藤さんと共に、へしこ茶屋の立ち上げに携わった 発酵食品ソムリエ・へしこ料理研究家の伊達美鈴さんが作られた「へしこふりかけ」も販売することが決まりました。私は、早速「へしこふりかけ」を購入し、白いご飯にかけ食べています。夏の暑さにばててしまいそうになりますが、へしことへしこふりかけで免疫力をアップし、長い夏を乗り切っていきたいと思います!

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五十嵐郁子

1975年生。東京在住。エーデパディレクター。福井県越前市生まれ。日本女子大学卒。大学生の2人の娘の母。東京福井県人会理事。福井市応援隊サポーター。

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日の出屋特製へしこ 姿

日の出屋特製へしこ半身

へしこの糠ふりかけ