金箔のこと

金箔のこと

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金箔とは

箔とは、金属を薄くのばしたもの。主に、工芸品の装飾、仏具、食品などに使います。

そのことをふまえると金箔とは金を薄くのばしたものです。エーデパにも、金箔をつくっていらっしゃる箔座さんがおられます。

主に金沢で作られる金箔は、10000分の1ミリの薄さまで打って伸ばして作られます。現在作られている金箔の99%は金沢で作られています。


雁皮で作られた和紙に藁の灰、卵白などを塗り込み叩いてを繰り返し、半年以上かけてつくられる箔打紙

その際に昔から使われてきたのが、和紙。雁皮で作られた和紙に柿渋や藁の灰、卵白を塗り込んで、叩いてを繰り返し、半年の歳月をかけて、その和紙を作ります。その和紙と金箔を交互に挟んで、叩いて10,000分の1ミリまでの薄さにしていくのです。

この和紙を使った技法は縁付金箔と言われます。紙に挟んで打っていくため、縁がついているのです。


このように箔打紙に挟んで打って伸ばすため、縁があります。縁付金箔と呼ばれています。

最近では、その和紙を作る職人の減少により、カーボンを使った断切金箔もつくられるようになりました。叩いたあとに、裁断していくため、縁がついていないこともあり、断切金箔といいます。

カーボン紙は強度も弱いため、二、三回叩いたら使えなくなるそうです。

ちょうど10月29日、箔座さんの日本橋店で新作発表会があり、お呼ばれしてきました。その際に2つ発表された新作。石川県金沢市のseccaの代表上町達也さんと共に共同開発してきたものだそうです。

一つ目は、縁付金箔そのもの、和紙も含めたものをうるしの額の中にいれた作品でした。金箔だけに注目されるのではなく、縁付技法、和紙までも作品であるという、斬新なもの。

はじめてお目にかかった「箔座」高岡美奈代表取締役社長、華やかな箔アクセサリーが上品さを増す美しいかたでした!その後ろには「伝統を尊ぶ、縁付金箔」という新商品。

もう一つは、役目を終えたカーボン紙を黒鉄箔と名付け、それを使ったランプ、照明器具を発表されていました。


役目を終えたカーボン「黒鉄箔」。箔を打った後の紙の表情が非常に強さを感じて美しい。

伝統技法をリスペクトしたものと、現代の箔づくりにかかせないものの再利用、箔の原点を少しだけ理解したような気持ちになれる2つの新商品でした。そんな大切に受け継がれてきた技術や素材を丁寧に一つ一つのアクセサリーに貼っていき出来上がったのが、箔座さんの金箔のアクセサリーです。


箔座本店にある金の茶室。縁付金箔は、国宝級の建物の修復に必要とされ、中尊寺金色堂や築地本願寺などの箔も依頼され納めているそう


幾層にも重ねた箔打紙と金箔を機械で満遍なく打って伸ばし打って伸ばしを繰り返す

金沢の箔を貼る工房にも、前日お邪魔してきました。繊細な金箔を一つ一つの器やアクセサリーに時間をかけて静かな空間で集中して貼っていく様子は、こちらも呼吸をするのを忘れるくらいの張り詰めた空気感。大切なものを当たり前のように大切に扱って作る、そして、それを大切に身につける、その心を私も忘れないようにしたいと改めて感じました。手仕事ってすごい!

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五十嵐郁子(五十嵐羅紗店1代目店主孫娘)
1975年生。東京在住。エーデパディレクター。福井県越前市生まれ。日本女子大学卒。大学生の2人の娘の母。東京福井県人会理事。福井市応援隊サポーター。

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