心を整え、福井を味わう。──大安禅寺「格別の旅」を終えて

心を整え、福井を味わう。──大安禅寺「格別の旅」を終えて

福井が、銀座へ。―「格別の旅」に込めた想い。 読む 心を整え、福井を味わう。──大安禅寺「格別の旅」を終えて 1 分

梅雨の合間の暑さが増す7月11日、大安禅寺にて「格別の旅」を開催しました。

当日は県内外から24名もの皆様にご参加いただき、私自身も参加者の皆様と同じように、そのすべての時間を体験させていただきました。今回は、その格別な一日を、私自身が感じたままにお伝えしたいと思います。

福井を代表する禅寺であり、松平家の菩提所でもある大安禅寺。長い年月をかけて受け継がれてきた建物や庭には、静かな美しさと凛とした空気が漂っています。境内に一歩足を踏み入れると、自然と背筋が伸びるような感覚に包まれました。



旅の始まりは、高橋玄峰和尚のお話から。

参加者の皆様との軽妙なやり取りに笑いが起こる場面もあれば、その言葉が静かに心へ染み渡る瞬間もあります。ひとつひとつの言葉が、これから始まる箱庭づくりへ向けて、私たちの心を少しずつ整えてくれているようでした。

箱庭づくりでは、白い砂に一本の線を描くことから始まります。

「自分を見つめる時間」と聞いたとき、正直なところ少し不安がありました。私は決して、人前で自分と向き合うことが得意なタイプではありません。

それでも、形のない白い砂に、自分の手を信じて線を引くという行為は、その瞬間の自分自身を表現する唯一の手段でした。

ようやく一本のまっすぐな線を引くことができたとき、不思議なほど心が満たされ、小さな感動が込み上げてきました。

最後は、福井で採れる笏谷石や苔、枝ものの葉を添え、自分だけの箱庭が完成します。

ご住職の言葉に耳を傾け、初めて出会う皆様と同じ空気を感じながら過ごす時間。その場に流れる静けさや心地よさは、私の拙い文章だけでは、とても伝えきれません。

だからこそ、また皆様と、このような時間をご一緒できたらと願っています。






箱庭づくりの後は、福井県産の食材をふんだんに使った精進料理をいただきました。

ひと皿ごとに、丁寧に時間をかけて作られていることが、一口いただくだけで伝わってきます。

素材の持つ力を最大限に生かした料理を味わうこと。それが私たちの体の一部になっていくこと。

それは、とても贅沢で、ありがたい時間でした。

参加者の皆様と一列に並んで食事をいただき、自然と会話が生まれ、貴重なお話やご意見もたくさん聞かせていただきました。



現在、本堂は修繕工事のため、あと8年ほど工事が続く予定です。

本来であれば拝観できない場所まで特別にご案内いただき、由緒ある襖や掛け軸、寺宝を拝見することができました。

暑さを忘れることはできませんでしたが、それでも誰一人として見逃したくないという思いで、ご住職のお話に耳を傾けていました。

中でも印象的だったのは、大切なお部屋に描かれた越前和紙の襖絵です。

そこには、この場所に座る人への教えや願いが込められており、福井の文化と禅の精神が美しく重なり合っていました。








約3時間の「格別の旅」。

ご参加くださった皆様、本当にありがとうございました。

そして、ご住職をはじめ、大安禅寺の皆様のお力添えがあったからこそ、この時間を形にすることができました。心より感謝申し上げます。

企画した私たち自身も、皆様とともに忘れられない一日を過ごすことができました。

a.department storeのお客様は、日本全国にいらっしゃいます。

北陸に興味を持ってくださり、私たちの想いに共感してくださったからこそ、北陸の食を取り寄せてくださり、受け継がれてきた手仕事を暮らしの中に迎えてくださっています。

本当であれば、そのようなお客様お一人おひとりに、この北陸の地で開催する「格別の旅」を体験していただきたい。

そう願っています。

けれど、日程が合わなかったり、距離の問題で参加が難しかったりする方も多くいらっしゃると思います。

だからこそ、こうして私たちが体験したことを皆様へ届け、少しでもその場の空気や感動を感じていただけたなら嬉しく思います。

そして来月末には、東京・銀座で「格別の旅 〜福井が銀座へ〜」を開催いたします。

会場は、予約の取れないフレンチレストラン「Air」。

この日のためだけにご用意するフレンチコースと、吉田酒造「永平寺白龍」の特別なペアリングをお楽しみいただきます。

その日にしか味わえない雫酒や、発売前の日本酒をご用意いただく予定です。

しかし、この会で私たちが本当に届けたいのは、お料理や日本酒だけではありません。

Airの支配人・小林さん、シェフ・伊藤さん、吉田酒造の吉田社長と何度も話し合いを重ね、「福井をどうすれば五感で感じていただけるか」を考え続けて生まれた一日です。

舌で味わい、心で福井を感じていただく。

そんな時間をお届けできたら嬉しく思っています。

昼・夜ともに15名限定の開催となります。

おかげさまでご予約も少なくなってまいりました。

ご興味をお持ちの方は、ぜひお早めにお申し込みください。

皆様にお会いできますことを、心より楽しみにしております。

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五十嵐郁子
1975年生。東京在住。エーデパディレクター。五十嵐羅紗店お姉(おあね)。福井県越前市生まれ。日本女子大学卒。大学生の2人の娘の母。東京福井県人会理事。福井市応援隊サポーター。
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格別の旅「福井が銀座へ〜フレンチレストランAir×永平寺白龍ペアリング」